2012年6月27日水曜日

7/2(月)PM、博物館スタッフのための研究交流会「赤ちゃん(0・1・2歳児)連れ来館者対応を考える研究会」を開催します。

NPO法人西日本自然史系博物館ネットワーク大阪市立自然史博物館、こそっと研のコラボで、これまでミュージアムがターゲットとして意識してこなかった「赤ちゃん(0・1・2歳児)」を連れた来館者への対応を、様々な角度から考える研究会を開催します。お気軽にご参加ください。

●日時:2012年7月2日(月)14:00~17:00
●会場:大阪市立自然史博物館 集会室
●対象:博物館学芸員、博物館スタッフ、学芸員志望の学生等、ミュージアムと子育て支援に興味のある方
●参加費:無料
●内容:第一部=話題提供(こそっと研、伊丹市昆虫館兵庫県立考古博物館
     第二部=意見交換

詳しくはこちら(NPO法人西日本自然史系博物館ネットワークサイト)。

2012年6月7日木曜日

「0・1・2歳児と楽しむミュージアムスタートガイドブック@いたみ2012」のPDFを公開しました

4月下旬から伊丹市内ミュージアム等で配付している「0・1・2歳児と楽しむミュージアムスタートガイドブック@いたみ2012」のPDFファイルを、WEB上で公開しました。ご要望いただき、ありがとうございます!



PDFファイルはこちらでご覧いただけます。(約4.7MB)
Google Documentで開かれるので、ダウンロードしたい場合は、画面左上の「ファイル」メニューの一番下、「ダウンロード」を選択してください。

表紙です。大きさはかわいい母子手帳サイズ。

[紹介しているミュージアム]
伊丹市昆虫館
伊丹市立こども文化科学館
伊丹市立博物館
伊丹市立美術館
伊丹市立伊丹郷町館
伊丹市立工芸センター
柿衞文庫


2012年5月31日木曜日

伊丹市立こども文化科学館で「ちびっ子プラネタリウム」やってます!

2011年度のミュージアム・スタート・キャンペーン@いたみで、こそっと研がコラボさせていただいたミュージアムの1つ、伊丹市立こども文化科学館が、5月~7月の期間限定で、主に未就学児(3歳くらいから)向けの「ちびっ子プラネタリウム」という新しい試みをされています。小さいお子さんがいらっしゃるみなさん、ぜひ一度行ってみてください!

第1回目の5月27日(日)には、ベビーカーのお客さんもたくさんいたとか。赤ちゃんとの初めてのプラネタリウム体験にもいいですね。暗闇がこわくて泣いちゃう子もいるかもしれませんが、それも一つの思い出、ということで。

―「ちびっ子プラネタリウム」概要―
●日時:5月27日(日)~7月8日(日)の毎週日曜日、10時から約40分間
※今年度はこの日程のみ。来年度については未定。
●内容:
・前半は星空を生解説で紹介
・後半は「ほたるくんとたなばたさま」のおはなし
・「きらきらぼし」「たなばたさま」などのお歌あり
・解説員が話しかけながら、楽しく進めます。
●参加方法:事前予約なし、当日9時よりチケット販売

☆スタッフからのメッセージ
主な対象は、3歳~未就学児ぐらいではありますが、赤ちゃんももちろん歓迎!
時間がいつも(50分)より短いですし、いちごやおにぎりが出てくるなど、小さい子にも親しみやすい内容で投映します。解説員が話しかけますので、元気な声で返事をしながら楽しんでください。

2012年4月17日火曜日

「0・1・2歳児と楽しむミュージアムスタートガイドブック@いたみ2012」を作りました!(4月下旬から市内公共施設で無料配布予定)

表紙です。大きさはかわいい母子手帳サイズ。
0・1・2歳児連れでもミュージアムは楽しい!」というコンセプトで、0・1・2歳児がいるお母さん・お父さんをターゲットにしたミュージアムガイドブックを作りました。
紹介しているのは、伊丹市内の全ミュージアム、7館。伊丹市は、理系・文系多彩なラインナップなミュージアムがあるだけでなく、小さい子にもフレンドリーなミュージアムがそろっているんです!









[紹介しているミュージアム]
伊丹市昆虫館
伊丹市立こども文化科学館
伊丹市立博物館
伊丹市立美術館
伊丹市立伊丹郷町館
伊丹市立工芸センター
柿衞文庫







このガイドブックの一番の特徴は、0・1・2歳児の発達に応じた、親子一緒のミュージアムの楽しみ方を提案していることです。「目線が低いことを活かし、あんよの練習をしながら床グラフィックをたどる」「親子で指さし遊びをしながら見学する」「ぬりえや折り紙など、子どもが日ごろ慣れている遊びを通じて、虫や星に“はじめまして”する」など、子どもの発達に応じた動作や遊びと、ミュージアムのコンテンツの接点を分析しました。
















もちろん、トイレや授乳関連施設などの実用情報もカバーしているので、赤ちゃん連れママも安心です。携帯しやすい母子手帳サイズなので、母子手帳ケースに入れるのもおススメ。

A6カラー全16頁で1,000部発行。4月下旬から市内公共施設で、先着順・無料配布しますので、ぜひ見かけたら手に取ってみてください。そして、お子さんとミュージアムにお出かけください!

[ガイドブック設置施設]
伊丹市昆虫館/伊丹市立こども文化科学館/伊丹市立伊丹郷町館/伊丹市立工芸センター/伊丹市立美術館/柿衞文庫/伊丹市立博物館/子育て支援センターむっくむっくルーム/すずはらむっくむっくルーム/いたみむっくむっくルーム/きららホール/ひだまりひろば/こども文化科学館むっくむっくルーム/伊丹市立図書館(南分館/北分館)/伊丹市役所子育て支援課


PDFファイルはこちらでご覧いただけます。(約4.7MB)
Google Documentで開かれるので、ダウンロードしたい場合は、画面左上の「ファイル」メニューの一番下、「ダウンロード」を選択してください。

◎ガイドブックの郵送を希望される方は、必要部数を、info.kosottoken[@]gmail.com([ ]を外してくださいね)にメールでお知らせください(部数に応じた送料実費をご負担いただきます)。

ガイドブック制作にご協力くださった伊丹市内ミュージアム関係者のみなさま、ありがとうございました。
「はじめてのミュージアム」のツールに引き続き、ガイドブックも手掛けてくださったデザイナーの西田優子さん、今回も素敵なデザインをありがとうございました。

2012年3月8日木曜日

はじめてのミュージアム第3弾「はじめまして、あおむしくん」@伊丹市昆虫館を実施しました!

3/7(水)10時30分~12時、伊丹市昆虫館2F学習室で、「0・1・2歳児と楽しむはじめてのミュージアム」シリーズの第3弾、「はじめまして、あおむしくん」を実施。今回は、「観察」と「記録」をテーマに、0・1・2歳児とその家族11組があおむしくんに出会いました。

伊丹市昆虫館は、こそっと研が発足した2009年度からお付き合いのあるミュージアム。これまでに積み重ねてきた思いの色々を込め過ぎて(?)、今回は、1時間30分という他より長めの内容盛りだくさんプログラムになりました。

プログラムの前半は、こそっと研メンバーでもある伊丹市昆虫館学芸員の坂本昇さん・角正美雪さんによるあおむしくんとのふれあい体験。あおむしくんや、“あおむしくんとはじめまして”する子どもの様子を「観察」するパートです。「これ、なんでうごいてるの?」、「本物の生きてる虫さんだからよ。おもちゃじゃないのよ。」という、ちびっことお母さんならではの会話が聞こえてくる中、あおむしくんを手に乗せるくらい仲良くなった子、こわかったけどケースの上からは頑張ってさわってみた子、さわってみたら意外に悪くない感触に驚いたお母さんなど、それぞれの“あおむしくんとのはじめまして”風景が見られました。

後半は、今回の体験を通じて感じたり発見したことを、観察パートで撮影した写真とともに残す観察記録づくり(「記録」パート)でした。
プログラム全体をゆるやかにつないでくれたのは、はじめましてプログラムのファンタジスタ・やおうたこさん(キッズプラザ大阪)!

会場でお母さん達が撮影した写真をその場で出力し、観察記録をつくるという、ちょっと忙しい流れでしたが、子どもたちの生き生きした写真がお母さんの言葉と一緒にワークシートに載せられ、とても素敵な“あおむしくんとのはじめましての記録”ができました!あおむしくんと出会う子どもの様子を「観察」し、写真と言葉で「記録」したことが、これからの親子の時間の中につながっていってくれたらうれしいです。


うたこさんが「さわる」「かたち」をテーマに絵本を読んでスタート
さわりごこちの違う○、△、□の「かたちシール」を貼って遊びました

シールを貼ったシートは、あおむしくんに変身!
角正さんによる“あおむしくんとのはじめまして”、スタート
お母さんみたいに、あおむしくんをなでなでできるかな?

この日撮った写真を使って観察記録作成中!
こんな素敵な観察記録ができました



参加してくださったみなさん、ありがとうございました。
伊丹市昆虫館のみなさん、お世話になりました。
デザイナーの西田優子さん、「はじめまして、あおむしくん 観察記録」一式のデザインありがとうございました。最初の流れの説明で、参加者のみなさんに観察記録を見せた時、一気にみなさんのテンションが上がってました!

この日のスタッフ(敬称略):坂本昇・角正美雪(伊丹市昆虫館・こそっと研)、八尾詩子(キッズプラザ大阪)、黒岩啓子・内田みや子・川人よし恵(こそっと研)

2012年3月2日金曜日

はじめてのミュージアム第2弾「はじめまして、おひなさま」@伊丹市立伊丹郷町館を実施しました!

3/1(木)10時30分~11時30分、伊丹市立伊丹郷町館で、「0・1・2歳児と楽しむはじめてのミュージアム」シリーズの第2弾、「はじめまして、おひなさま」を実施。今回は、県の文化財に指定されている旧石橋家住宅1Fをお借りして、「むかしのおうちで親子で伝統文化体験をする」をテーマに、0・1・2歳児とその家族10組がおひなさまに出会いました。

江戸時代後期に建てられた商家、というだけでいつものおうちとは違うゆったりした雰囲気がありますが、館内はちょうど盆梅や南京桃が展示されていて、見た目にはもちろん、香りでも文字通り会に華を添えてくれました。

プログラムの内容は、ファシリテータのやおうたこさん(キッズプラザ大阪)とタオルを使ってうさぎさんのおひなさまを自分たちで作って遊んだり、こそっと研のうちだハカセによるおひなさまミニレクチャー付で、旧岡田家住宅・酒蔵に展示中の七段飾りの見学をしたり。会の最後には、おひなさまパーティーと称した交流タイムも。

こそっと研は、ノリノリちゃんも、のんびりちゃん・ぐずりんこちゃんも、お母さんも・お父さんも(おばあちゃん・おじいちゃんも)、無理なくいっしょにミュージアムを楽しむ場を作っていきたいと思っています。今回は、畳のお部屋でくつろぎながら“おひなさまとはじめまして”してもらえたかな?

初めにうたこさんから春のお話。手からお花が咲きました
明治・大正・昭和の七段飾りの前でうちだハカセがおひなさま講義

こそっと研特製「うさタオル」がうさぎに変身します

絵本といっしょにうさぎさんもみんなもぴょーん!
うさぎさんがおひなさまになりました



参加してくださったみなさん、ありがとうございました。
伊丹市立伊丹郷町館のみなさん、伊丹市文化振興財団の中脇健児さん、お世話になりました。
デザイナーの西田優子さん、「うさタオル」の原案デザインありがとうございました。ホントかわいい!

この日のスタッフ(敬称略):八尾詩子・内山十糸子(キッズプラザ大阪)、黒岩啓子・内田みや子・川人よし恵(こそっと研)

2012年2月27日月曜日

はじめてのミュージアム第1弾「はじめまして、おほしさま」@伊丹市立こども文化科学館を実施しました☆

2/27(月)13時30分~14時20分、伊丹市立こども文化科学館で、「0・1・2歳児と楽しむはじめてのミュージアム」シリーズの第1弾、「はじめまして、おほしさま」を実施しました。

寒い中、0・1・2歳児とその家族11組が参加してくれました。今回のテーマは、「まだ知らない夜の世界。お空で光るおほしさまに出会う」。笑顔で過ごせたお友達も暗いのがこわくて泣いちゃったお友達もいたけど、どのお友達の“おほしさまとのはじめまして”も、それぞれにキラキラしてたと思います。今日の経験が、おうちに帰ってからの“おほしさまとなかよし”や“おかあさんとのおはなし”に少しでもつながっていったらうれしいです。

プログラムの前半は、ファシリテータのやおうたこさん(キッズプラザ大阪)によるおほしさまをテーマにした遊びの時間。後半は、科学館の鵜林伸也さんがプラネタリウムの特別プログラムを上映してくれました。後半は会場が暗くて写真が撮れなかったので、前半の様子だけ簡単に紹介します。


大きな布をお空に見立てて、みんなでふわふわ








お空の上に黒い布をかぶせると…夜になりました








夜のお空にいるおつきさまの絵本。おほしさまのお友達だね








みんなで「おほしさまランプ」作り。この後プラネタリウムでした



参加してくださったみなさん、ありがとうございました。
伊丹市立こども文化科学館のみなさん、お世話になりました。
夢のたねプロジェクトの高橋匡太さん、こそっと研特製「おほしさまランプ」用のLEDライトのご提供ありがとうございました。

この日のスタッフ(敬称略):鵜林伸也・丸川章(伊丹市立こども文化科学館)、八尾詩子(キッズプラザ大阪)、内田みや子・川人よし恵(こそっと研)

2012年1月26日木曜日

満員御礼!「0・1・2歳児と楽しむはじめてのミュージアム」の申込受付を〆切ました

2012年2月・3月に実施を予定している3つの体験プログラムが、大好評につき、すべて満席となりました。多くの皆さまにお申込みいただき、ありがとうございました。

参加いただける場合もそうでない場合御、お申込みいただいた方全員にメールで連絡を差し上げますので、少々お待ちください。

残念ながらご参加いただけない方には大変申し訳なく思っております。またこのような機会をつくっていきますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

2012年1月11日水曜日

こそっと研の活動/2011年度

活動3年目は、前年度の伊丹市昆虫館での取り組みを活かしながら、市内全ミュージアムに協力いただき、「ミュージアム・スタート・キャンペーン@いたみ」と銘打った展開につなげることに。伊丹市および伊丹市教育委員会の後援の下、兵庫県子育て元気アップ活動助成を受けて実施します。

ミュージアム・スタートとは、その言葉通り、ミュージアムとのはじめての出会いのこと。こそっと研は、0~2歳児がママ・パパと一緒にはじめてのミュージアムを楽しむための2つの試みにトライしながら、「ミュージアムならではの子育て支援」を考えます。

●体験プログラム「0・1・2歳児と楽しむはじめてのミュージアム」実施
伊丹市立こども文化科学館、伊丹市立伊丹郷町館、伊丹市昆虫館のご協力の下、各館ならではの学びによる「子どもの成長実感」&「親育ち」プログラムを行う予定です。
各プログラム、1月26日(木)9時から申込受付します。定員は、いずれも0~2歳児とお母さん(お父さん)10組(先着順)ですので、お早めにお申し込みください。
→好評につき、すべてのプログラムが満席になりました。多くの方にお申込みいただき、ありがとうございました。


A.はじめまして、おほしさま
~夜はこわくない!プラネタリウムできらきらナイト♪~
[協力]伊丹市立こども文化科学館

とき:2012227()1330-1420
・ところ:伊丹市立こども文化科学館(伊丹市桑津3-1-36)
・参加費:1500円(入館材料費)
 

ふだん子どもたちがていて知らない夜の星空を、親子いしょにプラネタリウムで楽しんでみませんか暗がりがこわくて泣いてしまっても大丈夫みなさんそれぞれのペースでゆたり過ごしてくださいおほしさまをモチーフにした簡単な工作遊びもします


B.はじめまして、おひなさま
~おともだちいっぱいできるかな?おひなさまパーティ!~
[協力]伊丹市立伊丹郷町館

・とき:201231()1030-1130
・ところ:伊丹市立伊丹郷町館{伊丹市宮ノ前2丁目5番28)
・参加費:1500(材料、おやつ代)
持ち物:お子さんの飲みもの

ひなまつりは桃の花をかぎり、白酒などの飲食を楽しむお祭りですこれにならて伝統的な町家でおひなさまパーティをしますおひなさまにちなんだ遊びやお話を通して、桃の節句について親子で楽しく学びませんか?終了後は郷町館で展示中の本格的なひなかざり見学をおすすめします


C.はじめまして、あおむしくん
 ~おもちゃじゃないよ、生きものだよ!あおむしくんにさわってみよう!~
[共催]伊丹市昆虫館

・とき:
201237()1030-1200
・ところ:伊丹市昆虫館(伊丹市昆陽地3-1昆陽池)
・参加費:1500(入館料・材料費)
持ち物:デジタルカメラ

ムシ好きなスタフといしょに、アゲハの幼虫にふれてみませんか?「虫は苦手…という方も、ご安心を小さないのちとの出会いはドキドキがいぱい親子でいっしょに「あおむしくんとともだちになりましょうお子さんのようすをデジカメで撮影し、思い出アルバムもつくります


お申込みについて[受付開始:2012126()9時 10組・先着順]
各プログラムの対象・定員は0~2歳児とお母さん(お父さん)10組です(先着順)
→好評につき、すべてのプログラムが満席になりました。多くの方にお申込みいただき、ありがとうございました。

・メールに以下の必要項を入力し件名を「はじめてのミジアム」としてお申し込みください
 ①参加希望プロクラムの記号(A B . C )
 参加者全員のお名前、年齢、性別
 ⑤連絡先電話番号、
 住所
※ご入いただいた個人情報は、グラム実施についての連絡のみに利用いたしますなお、個人情報保護法第23条第1項各所定の場合を除いて第三者に提供・開示いたしません

複数プログラムの同時申し込みも可能です参加いただける場合もそうでない場合も、メールでお返事いたします

催/申し込み/問合せ窓口
子育てがもっと楽しくなるミュージアムづくり研究会 ms.itami2011★gmail.com(★を@に)

[後援]伊丹市、伊丹市教育委員会 [協力]キッズプラザ大阪





●「ミュージアム・スタート・ガイドブック@いたみ」発行
0~2歳児連れで伊丹市内ミュージアムを利用する際の楽しみ方を、こそっと研ならではの視点で提案するガイド本。もちろん、授乳やおむつ替え、エレベータなどの設備情報も盛り込んだ実用書を企画中です。3月末発行予定。

こそっと研の活動/2010年度

活動2年目である2010年度は、笹川科学研究助成※を受け、前年度に来館者調査を試行させていただいた伊丹市昆虫館で、乳幼児連れ来館者の利用実態調査と、展示利用支援ツールの試作・検証をしました。

対象は、0~2歳児とその保護者。改めて0~2歳児を“お客さん”として見直してみようという訳です。


※博物館の子育て支援機能に関する研究―乳幼児連れ来館者のための展示、教育普及事業の企画手法の開発― (坂本昇)





●利用実態調査
7月にモニターさん6組(母+子3組、父母+子3組。父母の年代は20~40代)に協力いただき、昆虫館の館内で見学などする様子の観察調査と、見学後のインタビュー調査を実施。インタビュー調査で、私たちが知りたいことを引き出すための質問項目を決めるのに苦労しました。

11月には伊丹市内の育児サークルさん(1~2歳児とその母(全員30代)7組)にご協力いただき、昆虫館を親子で利用してみた感想等をアンケートで答えてもらいました。質問項目は、7月のモニター調査の時とほぼ同じです。

調査では、まず、昆虫館での体験と親子の日常を関連付ける基本的な情報として、
・昆虫への興味・日ごろの関わり
・子どもと一緒に過ごしてうれしい・楽しいこと
などを整理。

それから、昆虫館で過ごす中での子や親の行動・気持ちを明らかにしました。
・子どもの「楽しい」「うれしい」:
歩くこと・のぼりおり、モノの受け渡しでコミュニケーション、人(特に親)と一緒のことをする
・子どもの発達段階と関係する特徴的な行動:
同じことを繰り返す、発見や体験を親に報告・確認、日頃慣れているモノは受け入れやすい、カラフルな色に反応する、目線が低いので床に目が行きがち
・親の「楽しい」「うれしい」:
子どもの成長を確認、子どもと共感・親子で楽しい、ちょっと一息つける、家庭ではできない体験・知識、親自身の新たな発見、親同士の交流
・親の「困った!」(昆虫館利用の課題):
展示位置が高い・抱っこがつらい、ゆっくり解説を読む余裕がない、博物館は敷居が高いような印象


●展示利用支援ツールの試作・検証
調査から分かった「0~2歳児と親」の利用実態は、
・「子の成長を実感(親)」「歩くこと・のぼりおりで自分を試す(子)」など、展示以外でも楽しんでいる
・「文字解説を読む余裕がない(親)」「目線が低いので床に目が行きがち(子)」など、館が想定した展示への関わりはむずかしそう
ということでした。

つまり、せっかく来館してもらっても、展示を利用してもらえていないのではないか。ということが見えてきたのです。




そこで、「0~2歳児と親」にもっと展示に関わりをもってもらうため、既存の展示を支援ツールで補完しよう。ということになりました。


今回開発した支援ツールは、
・高さを合わせるための「ステップ
・子どもの注目をひき、アンヨ促進や誘導のための「床シール
・文字解説を読む余裕が無くても、一緒に楽しい気持ちになれる「虫のうた
です。
親子の目線・気持ちがいっしょになるしかけ」を目指し、館内に配置してみました。

支援ツールの効果については、12月~2011年1月に、来館者23組にアンケートで検証。70%以上の保護者から「展示が利用しやすくなった」という声をいただきました。



ミュージアムならではの子育て支援とは?
こそっと研の研究テーマである「ミュージアムの子育て支援機能」について、支援ツールの検証アンケートでも質問してみたところ、
・小さい子が遊べ、いろいろな体験ができる場
・出会いの場、母親と社会の接点となる場
・子どもの学びや成長のための場
・親子の交流ができる場
であってほしい、などの答えが。

年度末にミュージアム関係者にお集まりいただいた座談会では、
・0~2歳の子どもに対する支援=親支援
・館種によって乳幼児連れ来館者の来館理由や、他の利用者との“共存しやすさ”が違う
・ミュージアムという日常と違う場所で、子も親も互いの新たな一面に気づける
などなど、「ミュージアムの子育て支援」を考える際のポイントとなる意見が多々出されました。

ミュージアムができる“子育て支援”って何だろう。こそっと研の追究は続きます。

2012年1月9日月曜日

こそっと研の活動/2009年度

活動1年目の2009年度は、ミュージアムや自治体・企業・NPOなど13団体にお邪魔して、乳幼児連れ家族向けの取り組みの状況などについてヒアリング&視察調査させていただきました。まずは“先輩”に学ぶ年にしよう、ということで。

●先進事例調査させていただいたミュージアム等
キッズプラザ大阪、兵庫県立考古博物館、大阪市立天王寺動物園、滋賀県立琵琶湖博物館、NPOこども環境活動支援協会、日本科学未来館、多摩美術大学美術館、船の科学館、吹田市役所、りそなキッズマネーアカデミー(りそな銀行)、大阪市立科学館、西宮市役所、国立民族学博物館(順不同)



それから、学んだことを少しでも形にすべく、実践的な活動にも3つトライしました。
●「ダンボール竪穴式住居in八尾市立しおんじやま古墳学習館」
ダンボールハウスの古代版をプロデュースし、館内フリースペースに置いていただきました。(株)矢野紙器さん制作のダンボールハウスは丈夫なだけでなく、とても美しいものに仕上がりました。










●乳幼児連れ来館者の利用実態調査の試行in伊丹市昆虫館
これは2011年度も継続中の伊丹市での活動の基礎となる取り組み。乳幼児連れ来館者が昆虫館でどのように過ごしているのか、観察&インタビュー調査の試行を行いました。どんな方法で調べたらほしい情報が得られるか、調査設計を試してみたのです。










●大阪市立科学館主催「科学大好き人間集まれ」に“おかんの科学”ユニットとして出場。
みかんと汚れ落としのメカニズムをテーマに、実験ショー(というか寸劇)をしました。あの北海道大学CoSTEP出身の先輩主婦・小林竜子さんとの特別ユニットです。











2009年度の活動報告をまとめた「こそっと研通信vol.1」はこちら(2010年10月発行)